皆様、ご機嫌如何ですか?閂屋の北野邦彦です。一雨ごとに、冬に向かい風も空っ風の様相ですね。冷たい風は、色んな意味で肌身に応えます。特に、寂しい懐具合には(笑)そんな時、フっと思い出す言葉に「風が吹いたら桶屋が儲かる」という格言があります。
この言葉の本当の意味はご存知でしょうか?これは、お釈迦様並の「悟り」を純然たる経済現象として捉え、語られている格言なんですね~つまり、こういう事なんです。
江戸の町に風が吹くと、舗装などされていない道から砂風が舞います。すると、砂で目を悪くし「失明」する人が増えたといいます。そして、目が見えなくなった人には、退屈なため「娯楽」を求めます。それが「三味線」です。三味線が流行ると、江戸の町から三味線の材料となる「ねこ」の数が激減します。
ねこが減ると、江戸の町に「ねずみ」の数が激増します。ねずみは、硬いものをかじる習性があります。格好の材料が「桶」です。すると、桶が、かじられ、町民の桶が痛み、ひいては桶屋さんが、繁盛するという具合なんです。「バタフライ・エフェクト」というのでしょうか、一つの現象から、派生し思わぬ効果が出るという「現象」を300年以上前から、日本人は、常識的に知っていたのですね~
最近は「風が吹いたら、給料が下がる」といったところでしょうか?「ワンコイン亭主」。昼食代が500円玉一枚のサラリーマンを揶揄する言葉ですが、これはもう古くなってきてます。最近は大手スーパーが300円前後の弁当を売り出すなど、節約志向はさらに進み、価格競争は激しさを増していて、小遣いカットに悩まされるご同輩も多くなっている事でしょう(泣)
おまけにタバコも増税ときてますしね~(泣笑)予断ですけど、政府がお手本にする欧州では「喫煙権」も認められていて、ファシストよろしくのたばこ狩りは、しませんよ。彼等は、大人ですから(笑)すくなくと、野外の公共施設では大変、おおらかでのびやかなものですよ~本当に。健康のためというなら、より浅く広く、税が取れるように「添加物税(?)」のようなモノを課しては如何か?そうなったら、廃業に追い込まれる業界も増えるでしょうが(笑)
節約は悪いことではないですし、商品やサービスを見極めるのは正しい事です。ただし「ゆきすぎ」はどうでしょう?今回のかてなちおは、我々の財布にモロに影響のある「節約、貯蓄は不況を招くのか?」について触れてみたいと思います。歴史上「○○の治」と呼ばれる安定、安全で健全な社会を実現できた時代は、例外なく広く浅く、国民負担の少ない税制で、消費がやや過剰程度の収まり、収入が安定していた事実があります。今は、全てが逆ですね(笑)こういった流れで我々1人1人が出来る事に、貢献できれば幸いです。
■ 消費は景気を促す?
所得のうち、消費に回す割合のことを「消費性向」といいます。もし消費性向が1(所得のすべてを消費に回す)なら、すべての所得は消費を通して企業の売り上げに転換され、最終的に消費したのと同じ額が所得として自分の懐に戻ってくる計算になります。
しかし、消費性向が0.5に下がると、半分のお金は個人の手元に滞留し、世の中に出回るお金の量は減ります。その結果、所得も減少を余儀なくされます。そして、その減った所得の半分しか消費しなければ、ますますお金の流れは悪くなり、所得はさらに減少する仕組みです。
こういう事を経済用語で「マクロ経済(大きい視点からの経済/政府等々)」といい、確かに論理としてはその通りなんです。「ミクロ経済(小さい視点からの経済/家計、個人等)」では、給料が減っていく現状では、消費に回せない。
つまり、500円の弁当を350円で賄うようになります。簡単に言えば、景気浮上のためには、雇用の安定と給与の上昇が、絶対条件になります。その為には「インフレーション」といって政府から、お金の流通用を増やす必要があります。
ただ、やり過ぎるとお金がたんなる「紙切れ」程度の価値しかなくなり「通貨」としての「円」の価値が減り「円安」になります。現状、円はドルに対して「89円前後」です。日本企業が損益分岐点にしているドル/円の基準は「約95円」といわれてますから、もっと流通量を増やしても問題ないはずなんですが・・どうして出来ないのでしょうか?
ちょっと怖い話(?)になりますが、日本は近未来まで、お金の流通量を増やしたくても増やせない状況にあります。もっとも理想的な政策は「政策金利の上昇」があります。利率がいいなら、海外からの資金が日本に流れ、自然、円の価値と流通量が上がるります。
円高を除けばいいんです。オーストラリア、ノルウエーは最近、金利をあげ、お国の貨幣の価値を上げ、非常に有利な立場にいます。日本はといえば・・
実質金利0といわれて久しく、ほぼ10年くらい続いています。こういう状況は、先の説明の通り、好ましい状況ではなく、景気という観点からは最悪の状態です。では、金利0で誰が”とく”をしているのか?実は「国」なんです。最近、話題になっている国家予算の財源に「国債発行」云々と言われます。
国債は、借金であり、金利を払はなければなりません。金利は低い程、払う側にすれば望ましい状況です。日本国の借金は、膨大です。ゆえに、政策金利を上げたくても、上げらない状況なんです。
ちなみに「イスラム法」では金利は「厳禁」されています。民族の知恵ですね。マホメットは商人だったので、この辺の事情がよく、分かっていたのでしょう。今でも続く慣習です。
何処かの時期に、どの政党になるかは分かりませんが、解決しなければならない大問題なんです。「徳政令」って事になるのかも知れませんが・・いずれにせよ、今のままでは、給与の上昇は、正直、書くのも辛いのですが、夢のまた夢となります。ですから、1人1人が消費と景気のメカニズムに通じて頂ければ、いいな~と、思っていますが、消費より「貯蓄」って事になるのですが(笑)
もちろん、貯蓄をするのは悪いことではないし、日本人の美徳といっていいかもしれまぜん。国の借金も凄いですが、国民貯蓄も凄まじい額で、世界でも例を見ないでしょう(笑)低所得化で貯蓄率は低下傾向にありますが、それでも貯蓄に励むのは「将来の不安に備えたい/富を増やしたい」という思いからです。
好景気のときには世の中にお金がたくさん動いているから、ある程度貯蓄をしても(消費を抑えても)、所得が減る心配は少なく、金利も高く、株価も上昇するから資産も効率よく増やせます。しかし、不況時に貯蓄を増やすと、低価格のモノばかりを選択することになり、出回るお金は減ります。そして、景気が悪化して企業業績も振るわず、所得にはね返る。まさに負のスパイラルなんです(泣)
つまり、個人にとって節約はいいことであっても、すべての人が節約に励むと消費が減って景気は悪化し、それにともない個々人の所得も減ってしまいます。つまり、節約で消費を削ることはミクロ経済学者的視点では正しい行為ですが、マクロ経済学者の視点で考えると、正しい行為とは言い切れなく、これを経済用語で「合成の誤謬(ごびゅう)」といいます。個人にとっては合理的な行動も、多くの人が同じ行動をとると好ましくない結果を招く、という意味です。
銀行にお金を預けると、企業への融資などに回りますが「貸し渋りが」起きると、お金は滞留して何も生み出しません。規制緩和など、ビジネスチャンスを増やす施策も必要ですが、新しいビジネスを生み出す、個々人の「発想/チャレンジ精神」を喚起していくことも重要です。それに今回の騒動そのものが、人様の大切な貯金を、エリート様々の、銀行が勝手に、利用した事を、忘れるべきではありません。
と、いう意味でも「貯蓄」そのものの体系をそろそろ、真剣に考えるべき時期に来ているのでしょね~政府も高額納税者に税を高く設定しつつ証券、不動産といった景気を促すカンフル剤となるものには、免税ならぬ、低利な税制をひいてもいいと思います。先の理論の通り、お金が流通しますから。飴と鞭の典型ですね。一般の方も、そういう事ならと、もっと自分の貯蓄に対して、真摯に向き合えるようになると、思うのですが・・
ビジネスマンの小遣いが減れば、本を読んだり、セミナーに足を運んだりして、発想の土壌をつくる機会も少なくなっていきます。仕事帰りに部下を誘って、酒の席で士気を高めることもままなりません。意思伝達が不得意な若者層が益々、この分野の能力を損なう事にもつながります。
「景気対策のために小遣いを増やしてほしい」、素敵な提案であり、いい”政策(ポリシー)”ではないでしょうか?その為には、奥様に、ご機嫌伺いという”営業”がついてまわりますが(笑)