かてなちお ― 「まもる」をテーマに生活情報から防犯情報まで紹介します。

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皆様、ご機嫌如何ですか?閂屋の北野邦彦です。日本には「安全神話」がありました。日本は他国と違って、本当にこれに近い安全を維持できたからで、江戸期、バブル期に代表される泰平の世を実現させたからです。

今となっては、まさに"神話"。元々安全神話自体、根拠のない思い込みで、日本人の場合それに「言霊」という概念が加わるので、"安全であってくれ"という願望が、実際の事と錯覚しがちです。

更にまずい事に、こうした現象は政治の世界へも多分に影響し、「北朝鮮拉致問題」などでは高度な外交政略「駆け引き」が出来ないという現象にもつながり、希望的観測に基づく報道が先行します。実際のところを述べようなら「その発言で実際にそうなったら責任取れるのか?」という反論があると、沈黙せざる得ない。これが言霊の力です。

文化としては、美しい思想なのですが「今そこにある危機」には、害毒となる思想です。こうした事柄は、教育の中に盛り込むべきですが、進歩的文化人の方々の思想を取り入れ「差別語」を日本から駆逐すべく「言葉狩り」が行われ、益々、実際の事柄が分からない世の中になってきています。要するに、問題の「解決」ではなく「解消」ですね。完全に消せる?驕りでしょう、それは(笑)

安全神話の中で、もっとも気になるのが「学校」ではないか?と思います。先日の四川大地震や杉並区の区立小学校で6年生の中村京誠君が天窓から落下、死亡という事件がおこりました。ご冥福をお祈り致します。この事件で親御さんは「学校は安全なのか?」と疑念を抱かれていると思えます。

日本の公立小中学校も、耐震不足の古い校舎が約4万5千棟もあり、備えは万全とは言い難いです。国は校舎の補強工事への補助率を引き上げ、財政難の自治体も知恵を絞って耐震化を加速すべく動き出しました。今回は「学び舎」の安全性を高める動きについて、かてなちおが、お役に立てばと思っています。教育の場を失えば、解決も解消も出来ませんからね。

小中学校の耐震化完了まであと何年かかりますか?」を全国の市区町村を対象とした共同調査の結果

すでに終了9% 1年以内4% 2~3年以内14% 4~5年以内15% 6~9年以内21% 10年以上18% めどが立っていない19%

という結果になりました。遅れがちではないか?といった印象でしょうか?こうした背景には「財源不足」が最大の要因で、94%の自治体が「国の補助制度の拡充」を求めていて、「耐震工事の補助率を上げる、ロッカー転倒や窓ガラス飛散防止、学校への緊急地震速報の設置」等を国に求める声が相次いでいます。

何事も”先立つもの”ありき、で事は進むのですが「歳入」にも限りがあります。震災といった予測不能で甚大な被害をもたらすものに対してどう取り組むか?が、決断を下す立場の人達の課題となるでしょう。近々、国会解散総選挙になるかもしれません。それぞれの政党の意見に耳を傾け、自分にとって佳いと思える政党を選んで下さい。遅れがちな現状が変わるかもしれません。

手をこまねいてだけではなく、安価な工法を模索したり資金調達に知恵を絞ったりする自治体もあります。大都市直下の活断層で有名な「上町断層」を抱える大阪市は、校舎の耐震化工事で国が示す平均単価(1平方㍍2万6千円)の半値で対策を進め、今では市内の全市立小中学校の9割近くを完了させています。

秘策は「窓の狭小化」で、トイレや踊り場等、暗くなっても差し支えない窓を、極力小さくする事で窓をコンクリートで塗り固め、壁に鉄骨の筋交いをはめる一般的な工法より手間をかからなくしています。また、大阪松原市は既存の建物を強化するという発想を「減築」という発想に切り替え、生徒数の減った校舎上部を取り壊し2階建てにしています。荷重を減らし、壁の補強4箇所だけという経済的で合理的な改築で、1億4千万の工事費を7千万に抑える事に成功しています。素晴らしい☆

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三重県四日市市では、「PFI方式」を採用しています。

PFI方式・・PFI(Private Finance Initiative:プライベート・ファイナンス・イニシアティブ)」は公共施設等の建設、維持管理、運営等を民間の資金、経営能力及び技術的能力を活用して行う新しい手法です。

初期投資を抑え、その代わり毎年維持管理費を支払う手法で、試算では市が直接発注して工事を行えば59億かかるところが、PFIだと20年間の市の負担額は約41億、約3割安く済む計算です。ただ、金利変動のリスクを市が負わなければなりません。行政に携わる方は、より一層の精進で経済を安定させて頂きたいです。


また、福井県越前市は一般会計から約4億8千万円を積み立て基金を創設。和歌山県新宮市は職員室で、緊急地震速報を受信して各教室に放送する仕組みに取り掛かっています。

こうした知恵や努力には頭が下がります。「何とかしよう」という意気込みが嬉しく、人間味に溢れていて温かい感じがします。爪の垢を煎じて飲まなければならない、赤絨毯の住人もいるでしょう。見習ってほしいものです(笑)

転落死した、中村君が不幸だったのは、窓の上で遊ぶ事が如何に危険な行為か、しっかり教え諭す人が少なかったからでしょう。時折、思うのですが現在35歳以上の方は”戦中体験者”が教職員から教えを受けています。

良くも悪くも、数千年来続いた日本の歴史の延長上にある教育です。誤解なく言えば、いけない、危険な事は身体で諌める方針で、理屈よりも身体に叩き込む教育です。結構、痛い目にあいましたし、親も当然の事と思っていました。ガンダムのアムロみたいな子の方が珍しかったのです(笑)

日本史の中で分断された「戦後」という特殊な環境が「」です。戦前は全てが間違いだったという思想の元に教育が組み立てられています。戦前も、戦後も、それぞれに佳い処、悪い処があり双方繋ぎ合わせる事で、過去を振り返り、未来に向かうべきだと思えます。それが、可能なのは教え伝える場所「校舎」が存在してるからです。経済的にも、いいニュースのない昨今ですが、何とかして頂きたいです。


戦後の混乱を教育だと語る人は結構いますし、的外れではないでしょう。こちらは思想的分断の話ですが、校舎がなくなれば社会分断となるでしょう。戦乱相次ぐ、アフリカ諸国の子供達に「何がしたいか?」と聞けば、多くの子供達が「学校にいって勉強し、友達と遊びたい」と答えます。

不幸な事に、これが社会分断の姿です。いつまでたっても混乱が収まらないのです。予算配分を巡る、政治屋的取り決めではなく、国の一番貴重な財産はなにか?を考え、おのずと答えは見えてくる事柄に、配分して頂きたいと切に思います。

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